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人生の映画

Updated: Aug 8

三つの原理:

シドニー・バンクスは、カナダのソルトスプリング島に住むスコットランド出身の溶接工でした。彼は1973年、何気ない会話の中で突如として「悟り」の体験をします。


「不安というものは実体がなく、ただの思考にすぎない」ということに気づいたのです。


普通であれば、こんなことを聞いただけで悟ることなどありませんが、彼にはこの事実が心に深く響きました。 この気づきのあと、彼は三日三晩眠れなかったそうです。


この体験から、彼は「スリー・プリンシプルズ(三つの原理)」という理解にたどり着きます。 それは:


·       ユニバーサル・マインド(普遍的なマインド)

·       ユニバーサル・コンシャスネス(普遍的な意識)

·       ユニバーサル・ソート(普遍的な思考


の三つの原理を通して、私たちの現実は内側から創り出されているということです。

※「マインド」は、日本語訳するといまいちしっくりこないので、そのままカタカナ表記にしておきます。万物の根底にあり、すべての体験や存在を生み出す創造の源を意味します。


人生という映画の主人公:

スリー・プリンシプルズは、映画のたとえでよく説明されます。昔のフィルム映画を思い浮かべてみてください。


仮にユニバーサル・コンシャスネス(普遍的な意識)が映画のスクリーンだとします。

ユニバーサル・ソート(普遍的な思考)は光で、その光がパーソナル・ソート(個人的な思考)というフィルムを通ってスクリーンに投影されることで、私たちの人生というドラマが映し出されます。

そしてユニバーサル・マインド(普遍的なマインド)は、映画を映すために必要な電気のような存在です。


私たちは、生まれてからずっとこの映画の主人公として生き、外の出来事や状況が自分の感情をつくっていると信じてきました。だからこそ、理想のパートナー、仕事での成功、豪華な家、富や名声などを得て外的な環境を充実させることで「幸せになろう」と努力します。


でも、そうした「幸せ」は多くの場合、長続きしません。心の深いところでは満たされないままなのです。



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観客としてみる自分の映画:

シドニー・バンクスは「本当に求めている答えは、ストーリーの中にはない」と語りました。


映画の中でどこへ行こうと、何をしようと、私たちは常に思考によってつくり出された自分独自の現実の中にとどまっています。この現実は、どれほどリアルに見えても本質的には幻想――つまり「パーフェクト・イルージョン(完璧な幻想)」なのです。


だから私たちはその幻想の中で、痛みや悲しみ、怒り、喜びなど、さまざまな感情を体験し、そのストーリーの中で幸せを見出そうとします。


でも、もしその映画から飛び出して、観客席から自分の映画を見ているもう一人の自分に気づけたとしたらどうでしょう。


その瞬間、私たちが体験している現実は、「思考によってつくり出されたものにすぎない」ということが見えてきます。ちょうど映画「マトリックス」のような感じですね。


何度も同じ映画のシーンを繰り返し演じ、そのたびに特殊効果の編集を加えてもっと怖い映画に仕上げ、自分の思考が映し出した状況に怯え、主人公としてもがいている――そんな自分を、観客席から見てしまう、、、



「えっ……これって全部自分が創り出していたの?!」



今まで必死にしがみ付いていた思い込みが、ただの幻想だったと気づいた瞬間、それらが一気にガッサっと崩れ落ちていくように感じられます。


ストーリーはまったく変わっていないのに、主人公目線から観客目線へと変化する――そんな感覚です。


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映画の中で「何が(what)」起きているか、そしてそれにどう対処するかに執着するのではなく、「映画自体がどのように(how)」映し出されているか、その仕組みに目を向けることで、主役を演じている自分やそのストーリーから一歩引いて、俯瞰できるようになるのです。


私たちは「映画の中の主人公」であると同時に、「映画を見ている観客」でもあるのです。



自分の中にあるウェルビーイング:

このことが本当に腑に落ちたとき――つまり、頭で理解するのではなく、体験として心に響いたとき――私たちは「思考という夢」から目覚めることができます。


そして、この気づきがたとえ一瞬であっても、その瞬間に自分の中にある叡智と自然につながることができます。


意識の中にスペースが生まれ、本来のウェルビーイング(健やかさ・心の安定)が、心の奥からまるで心地よい温泉のように自然と湧き上がってきます。


そして、「ウェルビーイングはずっと自分の中にあった」ということに、直感的に気づくのです。



シドニー・バンクスは言いました。


「夢から目覚め、そしてまた夢の中に戻って、自分の人生を生きていく。」


映画の主人公を演じていると気づいたとしても、そこから完全に離れて生きていくことはできないのでしょう。なぜなら生きるということは、思考が創り出した映画――パーフェクト・イルージョン――の中で生きるということなのです。


しかし、一度その「夢」から目覚めると、その感覚は自分の心に残ります。そして、また夢に戻り、いつもの生活を送っていても、以前とはどこか違った景色が見えてくるようになっていきます。



セッションのご案内:

スリー・プリンシプルズについてもっと知りたい方、あるいはより深く探求してみたい方は、ぜひご連絡ください。


通常は、イギリス・ロンドン北部のスイス・コテージ、およびデヴォン州のエクセターとトットネスにて対面セッションを行っています。


また、日本にお住まいの方にはオンラインでのセッションもしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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